1. 直したいページと要素を1行ずつ書く
ここからはhirostaの提案する手順です。まず修正前の版を残し、その版のスライド番号を基準にします。番号だけで場所が分かりにくいときは、ページの見出しと「右下の図」「中央の本文」などの位置も添えてください。
同じページでも、見出し・本文・図・表・画像・配置を分けて書きます。「3ページを直す」では、本文だけなのか、図やレイアウトまで変えてよいのかが分かりません。「3ページの見出しを言い換える」「3ページの本文を短くする」を別の行にします。
目的や完成条件を含む依頼全体の書き方は、AIに仕事を任せる依頼で説明しています。この記事では、そのうちスライド内の変更範囲を指定する部分に絞ります。
2. 要素ごとに、変えてよい範囲と固定するものを決める
修正の目的に加え、できる操作を具体的に書きます。たとえば「言い換えだけ」「文字数はいまの7割以下」「文の順番は変えない」「配置・文字サイズはそのまま」です。複数の条件がある場合は、すべて守れる範囲で案を出してもらいます。
図表の数値・固有名詞・約束・価格をAIに変えさせたり、補わせたりしないでください。 表記が気になっても、推測で訂正させず確認事項として返してもらいます。「短くするため」に対象期間・単位・条件を削ることも認めません。必要な変更は、根拠を確認できる人が別の修正として判断します。
想定シナリオ:架空の会社の提案資料を手直しする
以下は架空の会社「こはる資料企画」の、全8ページの提案資料を使う想定シナリオです。会社名・資料・担当の設定は説明用で、実在の会社の数値やhirostaの実績ではありません。提案の内容や条件を固定し、説明の長さと図の位置だけを直す想定です。
修正指示表は、次の6列で作れます。同じページでも対象の要素が違えば行を分けます。
| スライド番号 | 対象の要素 | 直したい点 | 変えてよい範囲 | 固定するもの | 確認する人 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3「提案の概要」 | 見出し | 内容を一読で分かる表現にする | 意味を保った言い換えだけ。文字数は現状以下 | 固有名詞、約束、配色、文字サイズ、配置 | 営業担当 |
| 3「提案の概要」 | 中央の本文 | 説明が長い | 文字数を現状の7割以下にする案を作る。文の順番・配置は維持 | 数値、価格、対象期間、単位、固有名詞、約束と条件 | 営業責任者 |
| 5「進め方」 | 右側の工程図 | 本文と図が重なっている | 人が図全体をページ内で右へ移動する。大きさは維持 | 図の中の文字・数値、矢印の順番、配色、他の要素の位置 | 資料担当 |
表に書いた要素以外は、そのページの中でも変更しない決まりにします。表・画像・ロゴの差し替え、全ページに共通する背景や書式の変更も、今回の対象には含めません。
「7割以下にすると条件が抜ける」「図を移すとページからはみ出す」場合は、別の箇所まで直して帳尻を合わせず、止めて相談してもらいます。文字数の目安と内容の維持が両立しないときは、固定するものを優先し、依頼者が条件を見直します。
3. 対象外のページを明記して渡す
表だけで終わらせず、依頼の本文にも対象外を書きます。想定シナリオでは、次のように指定します。
修正前の版は「提案資料v1」、全8ページです。変更するのは3ページの見出し・本文と、5ページの工程図の位置だけです。1〜2、4、6〜8ページは対象外で、内容・書式・配置を変えません。ページの追加・削除・並べ替えもしません。3・5ページも、指示表にない要素はそのままにしてください。指示の範囲で直せない場合は、変更せず相談してください。
この指定を同僚や外注先にも共有し、修正後は「修正版」と「変えたページ・要素・内容の一覧」「未対応・相談事項」を返してもらいます。修正前の版を上書きせず、比較できるように残してください。正本や保存先の決め方は、AIに表やファイルの更新を任せる決まりへつなぎます。
AIに任せるのは下書きと比較の補助まで
この手順でのAIの用途は、修正指示表の下書き、言い換え案・短くした案の作成、修正前後の差分の洗い出しの補助に限ります。案を人が選び、資料への反映と配置の修正は人が行います。AIに渡す情報は、社内で共有を認めた範囲に絞ります。
たとえば3ページの本文なら、「表の固定条件を守って短くする案だけを示す。数値・固有名詞・約束・価格を変更・補完しない。条件を守れない場合は理由を返す。資料自体は変更しない」と依頼します。AIが差分を列挙しても、すべての変更を発見できたと判断せず、次の確認を人が行います。
4. 修正後は、対象外のページまで修正前と比べる
修正者の変更一覧だけを読むのではなく、確認担当者が修正前の版と修正版を並べて、次の順で見ます。対象外を含めた全ページを確認範囲にしてください。
- 全体のページ数・順番を比べる。 想定シナリオでは全8ページが同じ順で残り、追加・削除・入れ替えがないかを確かめます。
- 対象ページを指示表の行ごとに比べる。 3ページの見出し・本文が許可した範囲の変更か、5ページは工程図の位置だけが変わったかを見ます。同じページ内の対象外の要素も比較します。
- 対象外のページを1枚ずつ比べる。 1〜2、4、6〜8ページの文章・図表・画像・ロゴ・配色・配置が変わっていないかを見ます。共通の書式変更が他のページへ及んでいないか、改行や重なりも確かめます。
- 全ページの固定項目を照合する。 数値・単位・期間・価格・固有名詞・約束とその条件を修正前と読み合わせます。短縮した本文で「初回返信」が「解決」に変わるなど、約束の意味が強まっていないかも確認します。
- 確認結果と採用する版を残す。 ページ・要素ごとに、確認者・確認日・結果・残る相談事項を記録します。許可外の変更や確認できない箇所があれば、その版を配布せず、該当箇所を戻すか追加の修正範囲を決めて再確認します。
修正前と同じ数字でも、元から正しいとは限りません。図表の数値の正しさを確かめる方法は、割合・期間・単位を元表と照合する検証ラボを参照してください。会社説明や料金が承認済みの基準と一致するかを見る方法は、会社説明・料金の下書きの照合で扱います。本記事の確認は、まず依頼した範囲を越えて変更されていないかを見る工程です。
背景:調査ではスライドの手直しも課題に挙がった
日本AI導入支援協会が2026年10月7日に公表した調査レポートでは、AI生成スライドを直す負担のほか、定例資料への数値・グラフの更新や、システムをまたぐ同じ情報の入力についての声を紹介しています。2026年10月20日に公式のWeb本文を確認しました。
調査対象は2026年4〜9月のセミナー申込者150社175人で、このうち業務課題の分析対象は141社166人です。セミナー申込者の調査であり、全国の中小企業を代表する調査ではありません。 ここから全国の需要の大きさや、手直しにかかる時間は判断できません。
この記事の修正指示表と確認手順は、調査に掲載された方法ではなくhirostaの提案です。想定シナリオによる説明であり、修正時間や費用の削減効果を測定したものではありません。