1. 試したこと:現行FAQと、購入時の条件を分ける

問い合わせが来た日に公開しているFAQが、その注文の購入時にも表示されていたとは限りません。今回は同じ架空資料を、(a) 現行FAQだけを見る整理と、(b) 注文日・購入時の表示・条件の版・申出理由まで残す整理で各1回まとめました。

返品案内をそろえる既存記事は一般手順と想定シナリオです。今回は、そのうち「届いた問い合わせを購入時の表示に戻す」工程を文字表で試しました。既存記事の本文は変更していません。

2026年10月21日に現行の本文を確認した消費者庁「通信販売」は、返品特約の広告と最終確認画面での表示を説明しています。同庁のQ&AのQ12〜14は、クーリング・オフとの違いや返品条件の明示、契約内容に適合しない場合との区別を説明しています。以下の期限・費用負担は公的資料から導いた条件ではなく、今回の架空設定です。表示要件の網羅や、条件の適法性の確認はしていません。

2. 作り方の要点:版・原文・想定表を先に残す

架空の条件表と現行FAQ

店名は「架空ラボ雑貨室」。資料の店・商品・注文・担当の役割はすべて架空で、宛先や動くリンクは入れていません。注文日を、購入時の表示を受けた日とする設定です。日付はすべて2026年です。

条項 条件の原文
V1-1 旧版V1は09-01〜09-30の注文に適用。対象は通常雑貨Gと名入れ雑貨N。
V2-1 新版V2は10-01以降の注文に適用。対象はGとN。過去注文のV1を置換しない。
V1-2 購入者都合のGは未開封・未使用に限り返品受付の対象。到着翌日を1日目とする14暦日以内に連絡する。返送到着の期限ではない。返送送料は購入者負担。
V2-2 購入者都合のGは未開封・未使用に限り返品受付の対象。到着翌日を1日目とする7暦日以内に連絡する。返送到着の期限ではない。返送送料は購入者負担。
V1-3・V2-3 Nは購入者都合の返品受付の対象外。破損・品違いの申出にはこの除外を使わない。
V1-4・V2-4 破損・品違い等は購入者都合と分け、品質担当が注文内容と商品の状況を確認する。第2条の期限・送料負担を流用しない。この資料では個別の期限・返品返金の可否・返送送料負担を定めず、責任者が確認して案内する。
V1-5・V2-5 まず店の問い合わせ窓口へ管理番号と申出理由を連絡する。担当者の案内前に返送を求めない。購入時の表示資料と注文を照合できなければ、版を推定して確定せず確認待ちにする。

現行FAQは10-15時点という設定で、旧版への言及はありません。

項目 FAQの原文
F1 通常雑貨は未開封・未使用なら、到着翌日を1日目として7暦日以内に窓口へ連絡してください。返送送料は購入者負担です。返送は担当者の案内をお待ちください。
F2 名入れ雑貨の購入者都合の返品は受け付けていません。
F3 破損・品違いは購入者都合と分けて担当者が確認します。ご注文内容と商品の状況を確認してから対応を案内します。

注文8件と、購入時の表示資料の有無

R1〜R5は未開封・未使用という申告です。R1〜R7には、購入時の商品ページ・最終確認画面の保存資料P1〜P7があり、記載の版を表示していたという設定にしました。これは実際の表示記録を人が確認した結果ではありません。R8は注文日・商品群・保存資料が欠けています。顧客名・住所・決済情報は持たせていません。

横長の表は横にスクロールして読めます。

注文 注文日 架空の商品・群 到着日 申出日 理由の原文要約 購入時の保存資料
R1 09-20 架空角皿A・G 09-22 10-02 色の好みが変わった P1:V1
R2 10-05 架空角皿B・G 10-07 10-12 サイズの希望変更 P2:V2
R3 09-30 架空布袋A・G 10-02 10-12 使う予定がなくなった P3:V1
R4 10-01 架空布袋B・G 10-03 10-13 使う予定がなくなった P4:V2
R5 10-04 架空名入れ札A・N 10-06 10-08 名入れ後に気が変わった P5:V2
R6 09-28 架空角皿C・G 09-30 10-15 届いたときからひびがあった P6:V1
R7 10-03 架空名入れ札B・N 10-05 10-09 注文と違う文字の品が届いた P7:V2
R8 空欄 架空品X・群は空欄 10-05 10-09 使う予定がなくなった なし

候補を作る前に固定した想定の結果表

試作者である同じAIが、次の想定表を先に保存し、時刻とSHA-256を記録しました。候補作成後も変更していません。想定表は人が作った正解ではありません。「条件に合う/合わない」は文字資料上の候補であり、全件の処理状態は人の確認待ちです。

注文 適用する版の候補 該当条件・根拠条項 想定の候補 不足資料・次の確認先
R1 V1、P1・V1-1 G、14暦日の連絡条件、購入者返送送料。V1-2・5 条件に合う 申告の裏付け・原表示の再確認。受付・表示管理担当
R2 V2、P2・V2-1 G、7暦日の連絡条件、購入者返送送料。V2-2・5 条件に合う 申告の裏付け・原表示の再確認。受付・表示管理担当
R3 V1、P3・V1-1 09-30注文。14暦日の連絡条件、購入者返送送料。V1-2・5 条件に合う 注文日・申告・原表示の再確認。受注・表示管理担当
R4 V2、P4・V2-1 10-01注文。7暦日の連絡条件。V2-2・5 条件に合わない 受付日時・到着日の原記録、事情と対応判断。受付責任者・表示管理担当
R5 V2、P5・V2-1 N・購入者都合の対象外。V2-3。第2条を流用しない 条件に合わない 商品仕様・理由の再確認。商品担当・受付責任者
R6 V1、P6・V1-1 破損として別確認。V1-4。期限・費用も保留 確認待ち 商品状態・到着時状況・適用条件全文。品質担当・対応責任者
R7 V2、P7・V2-1 品違いとして別確認。V2-4。Nの除外を流用しない 確認待ち 注文仕様と届いた商品の照合資料。受注・品質担当・対応責任者
R8 未特定 版・群を推測しない。V1-5・V2-5 確認待ち 注文日・商品群・購入時表示・状態。受注・商品・表示管理担当

最初の形と、AI・コード・人の分担

(a)では同じ注文と現行FAQだけを対応させ、旧版・新版の条項や保存資料は候補の根拠に使いませんでした。(b)では同じ素材から版ごとの条件を先に書き出し、注文に対応させました。指示の要点は次のとおりです。

(a) 現行FAQだけで、注文の条件候補と根拠、足りない資料を残す。
(b) 注文日・購入時表示・商品群・理由を、各版の条項に対応させる。
原文と根拠箇所、食い違い、不足資料、次の確認先、確認中の返信案を残す。
欠けた注文日・商品群・版は補わない。申出日で版を選ばない。
破損・品違いへ購入者都合の期限や例外を流用しない。
返品返金の可否・期限の適用・条件の適法性を確定しない。
全件を人の確認待ちにする。送信・返金・書き戻しはしない。

汎用の生成AIに指示して処理した部分は、作業中のAI自身による条件候補の抽出、注文との対応、返信案と照合表の作成です。短いJavaScriptは「申出日−到着日」のUTCの暦日差だけを計算し、R1から順に10・5・10・10・2・15・4・4日を出しました。コードがAIを呼ぶ仕組みや、返品可否を判定する機能はありません。

両版は起算方法を明記した設定なので、その差を文字表の14暦日・7暦日と読み合わせました。日付差を計算できても、その条件を個別注文へ適用してよいかは人に残しています。R5〜R8へ通常雑貨の期限を当てはめてはいません。

(a)も原資料と想定を知る同じAIが、残す項目を制限して整理しました。盲検や独立したAI同士の性能比較ではなく、一覧に何を残すかの比較です。

3. 結果:旧版対象の2件で候補が変わり、資料不足は残った

(a) 現行FAQだけの候補を想定と照合

「一致/不一致」は固定した想定との比較です。返品の承認・拒否ではありません。版は全件未照合です。

注文・照合項目 注文の原文・日付差 AIの候補・根拠 想定との一致/不一致・理由 不足資料・確認先
R1・旧版と期間 G・色の好み、差10日 F1の7暦日とは合わない候補 不一致。想定はV1・14暦日で合う候補 購入時条件・表示・状態の裏付け。受付・表示管理担当
R2・新版と期間 G・サイズ希望、差5日 F1の7暦日とは合う候補 条件候補のみ一致。V2との対応根拠がない 購入時条件・表示・状態の裏付け。受付・表示管理担当
R3・開始日前の注文 G・予定なし、差10日 F1の7暦日とは合わない候補 不一致。想定は09-30注文のV1・14暦日 注文日・購入時条件・表示・状態。受注・表示管理担当
R4・開始日以後の注文 G・予定なし、差10日 F1の7暦日とは合わない候補 条件候補のみ一致。V2との対応根拠がない 注文日・購入時条件・表示・受付日時・事情。受付責任者・表示管理担当
R5・例外 N・気変わり、差2日 F2の対象外候補 条件候補のみ一致。短い日付差でF1にしなかったが、版は未照合 商品仕様・理由・購入時条件と表示。商品担当・受付責任者
R6・破損 G・ひび、差15日 F3で破損の別確認 理由の候補のみ一致。期限超過を理由に拒否していないが、版は未照合 到着時状況・商品状態・購入時条件と表示。品質担当・対応責任者
R7・品違い N・文字違い、差4日 F3で品違いの別確認 理由の候補のみ一致。F2で除外しなかったが、版は未照合 注文仕様・届いた商品・購入時条件と表示。受注・品質担当・対応責任者
R8・資料不足 群・注文日空欄、差4日 F1かF2か未特定、確認待ち 確認待ちの候補・理由は一致。版も決まらない 商品群・注文日・購入時表示・状態。受注・商品・表示管理担当

この試作ではR1・R3の2件で、FAQ上の条件候補と購入時の条件候補が食い違いました。ただし、(a)も購入時の資料を不足として残しており、期限切れや受付拒否を確定したわけではありません。名入れ例外と破損・品違いの区別は、F2・F3から残せました。

(b) 条件表から書き出した版ごとの候補

根拠 AIが書き出した対象・条件の候補
V1-1・2 09-01〜09-30注文のG/N。購入者都合のGは未開封未使用、14暦日以内の連絡、購入者返送送料
V2-1・2 10-01以降のG/N。購入者都合のGは未開封未使用、7暦日以内の連絡、購入者返送送料。過去のV1を置換しない
両版の第3条 Nの購入者都合は対象外候補。破損・品違いへ広げない
両版の第4条 破損・品違いは別確認。第2条の期限・費用を流用せず、品質担当・責任者へ
両版の第5条 窓口に管理番号と理由を連絡、案内前の返送を求めない。表示と注文が照合できなければ版を確定しない

(b) 注文8件を想定と照合

全件が人の確認待ちです。「合う候補」も、返品可能と回答できる状態ではありません。

注文・照合項目 注文の原文 AIの候補・根拠 想定/一致・不一致と理由 不足資料・次の確認先
R1・旧版と期間 09-20注文、P1:V1、G・色の好み V1-1・2・5、差10日。14暦日の条件に合う候補、購入者返送送料候補 合う/一致。F1の7暦日と区別 申告・原表示の再確認。受付・表示管理担当
R2・新版と期間 10-05注文、P2:V2、G・サイズ希望 V2-1・2・5、差5日。7暦日の条件に合う候補、購入者返送送料候補 合う/一致。注文日と表示がV2に対応 申告・原表示の再確認。受付・表示管理担当
R3・境界前の版 09-30注文、P3:V1、10-12申出 V1-1・2・5、差10日。14暦日の条件に合う候補、購入者返送送料候補 合う/一致。申出日で新版にしない 注文日・申告・原表示の再確認。受注・表示管理担当
R4・境界後の版 10-01注文、P4:V2、10-13申出 V2-1・2・5、差10日。7暦日の条件に合わない候補 合わない/一致。送料は条文候補にとどめ、受付拒否を確定しない 受付日時・到着日の原記録、事情と対応判断。受付責任者・表示管理担当
R5・例外 10-04注文、P5:V2、N・気変わり V2-1・3、対象外で条件に合わない候補 合わない/一致。差2日でも第2条の期限・送料を流用しない 商品仕様・理由の再確認。商品担当・受付責任者
R6・破損 09-28注文、P6:V1、G・ひび V1-1・4、破損の確認待ち 確認待ち/一致。差15日を拒否理由にせず、費用も保留 商品状態・到着時状況・適用条件全文。品質担当・対応責任者
R7・品違い 10-03注文、P7:V2、N・文字違い V2-1・4、品違いの確認待ち 確認待ち/一致。購入者都合の例外を使わず、費用も保留 注文仕様と届いた商品の照合資料。受注・品質担当・対応責任者
R8・版と群の不足 注文日・群は空欄、表示なし V1-5・V2-5、版未特定の確認待ち 確認待ち/一致。差4日で新版やGを補わない 注文日・商品群・購入時表示・状態。受注・商品・表示管理担当

この短い架空資料の条件では、(b)の版・主な候補・理由・不足資料・確認先は8件とも想定表と一致しました。同じAIが作った想定との自己照合であり、正答率を示すものではありません。R8の版・群・表示は埋まらず、R6・R7も商品状態や注文仕様、個別の適用条件の確認が残りました。ほかの行も原記録・申告の裏付けは未確認です。

返信案に返品・返金の約束が混ざらないか

(a)(b)それぞれ8件について、共通本文と注文別の確認文を組み合わせて保存しました。共通本文は次のとおりです。

お問い合わせを受け付けました。ご購入時の案内とお申し出の内容を担当者が確認します。現時点では返品・返金の可否や費用負担は確定していません。

(b)では、R4に「到着日とご連絡を受けた日時、お申し出の事情を確認します」、R6に「ご購入時の案内と、到着時の破損の状況を確認します」、R7に「ご注文の文字と届いた商品の内容を確認します」、R8に「ご注文日と商品群、購入時の案内、商品の状態を確認します」を追加しました。R1・R2は表示と未開封未使用、R3は注文日と当時の表示・状態、R5は仕様と理由の確認文です。

同じAIが各案を読み合わせた範囲では、返品・返金の約束、受付拒否の確定、送料や期限適用の確約は見つかりませんでした。文章にそれらがないことと、送信してよいことは別です。担当者・回答予定を人が決める工程は未実施で、送信していません。

かかった時間と測った範囲

2026年10月21日、想定表の固定(UTC 05:45:38)から、候補・日付差・8件の読み合わせ結果を保存した時点(05:47:10)までの経過は92秒でした。素材・想定表の準備、出典調査、記事編集、ビルド・表示確認は含みません。この条件でAIが整理した範囲の経過時間で、人の確認時間や業務の削減時間ではありません。

4. うまくいかなかったことと、直したこと

最初の(a)では、現行FAQの7暦日と各注文の日付差を並べても、購入時の条件の版は分かりませんでした。特にR1・R3は、旧版の14暦日との対応を残せず、想定と反対の条件候補になりました。

そこで(b)では、表に注文日・保存資料・版・条項・理由・不足資料・確認先を加えました。R3・R4は、申出日はどちらも10月でも注文が開始日の前後に分かれます。申出日だけでは、この区別を残せません。

元の(a)と想定表は書き換えていません。(b)の新たな取り違え、想定表の修正、候補の再試行は、この読み合わせではありませんでした。名入れ例外・破損・品違いを(a)が落としたという結果もなく、失敗例を後から作ってはいません。

残った限界はR8です。欄を増やしても、欠けている購入時の表示は戻りません。また、今回は保存資料が各注文と正しく対応する短い文字設定で、実際の画面・表示履歴・複数商品の注文・交換履歴・注文日時の境界・長い規約・OCRは試していません。架空資料での自己照合を、実務の安全性や法的な妥当性の保証に使うことはできません。

5. 実際の業務で使う前に確認すること

  1. 購入時の根拠:注文日だけで版を確定せず、当該商品ページと最終確認画面の保存記録、対象商品と条件の対応を確かめます。欠けていれば、表示管理担当へ戻します。
  2. 理由と状態:購入者都合か、破損・品違い等の申出かを区別します。AIの候補だけで、申出の事実や受付拒否を決めません。
  3. 期限と費用:起算日、連絡か返送か、数え方、送料等の負担と例外を原文で確かめます。個別の適用・返金判断は責任者へ、法的な疑問は必要に応じて弁護士などの専門家へ確認します。
  4. 確認待ちの引き継ぎ:不足資料、引き受ける担当者、社内の回答予定を決めます。原文を人が独立に整理した結果との比較が必要で、今回の自己照合では代替できません。
  5. データと返信:AIへ渡す情報を絞り、顧客名・住所・決済情報は渡しません。返信案は根拠と未回答事項を確認し、責任者が可否・費用・回答予定を確認してから扱います。

購入前の表示をそろえる一般手順は返品案内の記事、送信前の確認は返信下書きの確認手順を参照してください。

6. 相談への案内

「古い条件と注文を結び付けられない」「例外商品の問い合わせが確認待ちのままになる」といった困りごとから、資料と人の確認工程を整理できます。問い合わせ対応AIのガイドとサービス・料金をご覧のうえ、無料相談で現在の流れをお知らせください。