1. 発注前に確認する4つのこと
補助を前提に発注する前に、次の4点を確認しましょう。ここでは、デジタル化・AI導入補助金2026を中心に説明します。他の制度では条件や手続きが異なります。
| 確認すること | 確認先・用意するもの |
|---|---|
| ツールと提供事業者の登録 | 公式のITツール検索とIT導入支援事業者。製品名、プラン名、ITツール番号を確認する |
| 見積りのどこまでが対象か | IT導入支援事業者と事務局。利用料、設定、研修、保守などを分けた見積りを用意する |
| いつ発注・契約・支払いできるか | 公式の交付決定後の手続きと事務局。交付決定日、導入予定日、支払い期限を照合する |
| 入金までの資金を用意できるか | 社内の経理・資金管理担当、必要に応じて金融機関。対象外の費用も含む支払額と支払い日を整理する |
販売事業者の説明だけで判断できない点は、制度の事務局に確認してください。申請する企業の要件や、賃上げ・報告の義務も含めて確認し、補助が受けられなかった場合の導入判断を社内で決めておきます。
2. デジタル化・AI導入補助金2026の対象と条件
登録されたAIツールなら、何でも使える?
対象は、事務局に登録されたITツールです。ITツール・IT導入支援事業者検索で候補を探し、導入したいプラン・機能・利用期間が登録内容に含まれるかを提供事業者に確認します。検索一覧にはオプションや役務が含まれないため、設定や研修、保守などは別に確認する必要があります。
通常枠では、1種類以上の業務プロセスを持つソフトウェアが必要です。汎用・自動化・分析ツールだけでの申請はできません。生成AIという名称や有名な製品であることだけを理由に、利用料が補助されるとは判断できません。
通常枠の補助率・補助額
| 区分 | 補助率 | 補助額 |
|---|---|---|
| 1プロセス以上 | 原則1/2以内 | 5万円以上150万円未満 |
| 4プロセス以上 | 原則1/2以内 | 150万円以上450万円以下 |
所定の最低賃金に関する条件を満たす場合は、補助率が2/3以内になります。自社に適用される補助率や賃上げ要件は、最新の公募要領とIT導入支援事業者・事務局で確認してください。上限額がそのまま受け取れるわけではありません。
6次までと7次以降では、確認する条件が異なります。 2026年10月9日のお知らせと公募要領で、次の変更を確認しました。
- 補助率2/3の判定:6次までは2024年10月〜2025年9月を対象に、2025年度改定の地域別最低賃金未満で雇用する従業員の割合を確認します。7次以降は2025年10月〜2026年9月の各月について、その月の地域別最低賃金以上・2026年度改定額未満の従業員が全従業員の30%以上となる月が、3か月以上あることが条件です。
- 給与の申請要件:7次以降は、従来の年平均成長率の要件に加え、1年後の1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)の向上が必要になります。補助金申請額150万円以上は3%以上、2022〜2025年にIT導入補助金の交付決定を受けた事業者は申請額にかかわらず3.5%以上です。基準は申請日の属する事業年度、計画は翌事業年度以降3年間です。150万円未満で過去の交付決定歴がない事業者に一律必須ではなく、医療・介護・社会福祉・学校等には所定の適用除外があります。
- 最低賃金関連の加点:7次以降の加点項目14は、上の補助率2/3と同じ判定条件です。加点項目15は、申請直近月の事業場内最低賃金が2026年6月より55円以上増えていることが条件です。
詳細は第1〜第6回の公募要領と第7回以降の公募要領を、公募回に合わせて確認してください。給与の適用除外や既存の賃上げ・従業員への表明要件も含め、支援事業者・事務局に確認します。
利用料・設定費・研修費を分けて確認する
通常枠では、ソフトウェア購入費やクラウド利用料(最大2年分)のほか、機能拡張・データ連携・セキュリティのオプション、導入・活用コンサルティング、導入設定・マニュアル設定・導入研修、保守サポートなどが対象として示されています。
ただし、費用の名称が一致するだけでは対象と判断できません。登録ツールに付随する役務なのか、見積りのどの項目・期間が登録内容に含まれるのかを確認します。一般的な月額相談や個別開発の費用まで一括で対象と考えないでください。枠によって対象が異なるため、パソコンなどの購入も通常枠のソフトウェア費用と分けて確認しましょう。
通常枠の日程(2026年10月9日確認)
- 6次締切:2026年10月30日(金)17:00。交付決定は2026年12月10日(木)の予定。事業実施・実績報告の期限は2027年5月31日(月)17:00の予定です。
- 7次締切:2026年12月1日(火)17:00。交付決定は2027年1月19日(火)の予定。事業実施・実績報告の期限は2027年7月30日(金)17:00の予定です。
日程は従来の案内から変更ありませんが、7次からは上記の補助率・給与・加点の条件が変わります。どの回に申請するかを決める際は、締切だけでなく、その回の公募要領も確認してください。
申請締切と、契約できる時期は異なります。導入を急ぐ場合も、予定の交付決定日を確定日として契約しないでください。以降の公募や日程変更は公式スケジュールで確認します。
3. 申請から導入・入金までの進め方
- 改善したい業務を整理する:書類の転記、問い合わせの下書きなど、必要な機能と人が確認する工程を決めます。補助対象に合わせるためだけに、不要なツールを選ばないようにします。
- 登録と費用を確認する:IT導入支援事業者とツールを選び、対象の費用、対象外の費用、契約期間、支払い条件を見積りで分けます。
- 申請の準備をする:GビズIDプライムを取得し、SECURITY ACTIONを宣言します。必要書類や自社の申請要件を確認し、支援事業者と共同で申請します。アカウントなどの準備は締切に余裕を持って進めます。
- 交付決定を確認してから発注する:申請を出しただけでは契約できません。事務局の交付決定を確認した後に、発注・契約・支払いを行います。交付決定前にこれらを行うと補助を受けられません。
- 導入・支払いを終え、実績を報告する:発注、契約、納品、支払いを示す証拠書類を保存し、利用・運用の開始と報告期限を確認します。事業者自身が最終確認して提出します。
- 確定した補助額を確認し、入金後の義務も管理する:実績報告後の確定検査の結果を確認し、補助額を承認します。以後の効果報告や賃上げ要件も担当者を決めて管理します。
申請内容の最終確認、契約の承認、支払い、報告は、社内の責任者が確認する事項です。要件未達や報告未完了などで返還を求められる場合があり、ツールの解約・利用停止に伴う手続きもあります。「採択されたら終わり」と考えず、導入後の義務まで確認してください。
補助金の入金前に必要な資金
この制度は、導入・支払いと実績報告を経て補助額が確定する流れです。発注時点で補助金を受け取れる前提にせず、いったん支払う全額を用意します。
資金管理担当には、補助の対象外になる費用、消費税、補助対象期間が終わった後の利用料、社内の運用費も含めた支払い予定を確認してもらいましょう。入金日を推測で決めず、資金が不足する場合は、契約する前に事務局と金融機関に相談してください。
4. 導入を判断する具体例
以下は確認の進め方を示す一般例です。hirostaやお客様の補助金利用実績、個別ツールの対象可否を示すものではありません。
書類の読み取りツールを導入したい場合
経理担当が請求書の転記を減らしたいときは、まず候補のソフトウェアとプランの登録、業務プロセスを確認します。見積りにクラウド利用料、初期設定、操作研修が含まれていても、すべてが対象とは限りません。項目ごとに登録内容と対象期間を確認し、社内では読み取り結果の確認・修正を誰が担うかを決めます。
交付決定より前に使い始める必要がある場合は、補助を前提に先に契約せず、導入時期を待てるか、自己負担で進めるかを判断します。すでに契約したサービスの費用を後から補助対象にできると決めつけないでください。
AIの利用料と月額の伴走支援を契約したい場合
AIツールの利用料と、業務整理・連携の構築・運用相談の費用を分けます。ツールの登録が確認できても、別契約の伴走支援が自動的に対象になるわけではありません。対象可否の確認と、補助がなくても続けられる費用・運用体制の判断をそれぞれ行います。
hirostaの支援範囲と料金はサービス・料金をご覧ください。月額料金の対象可否や採択を保証せず、申請代行は行いません。公開されている制度の情報提供、社内の業務改善計画の整理、提供するサービスの内容・費用・導入時期の説明に対応しています。
5. 他の制度を検討する場合
AIツールの導入、設備への投資、社員研修では、検討する制度が異なります。同じ経費について複数制度を使えるとは限りません。併用の可否も、それぞれの事務局で確認してください。
- 中小企業省力化投資補助金:カタログ注文型と一般型があります。登録製品の導入か、自社の現場に合わせた設備・システムへの投資かを分けて検討します。2026年10月7日時点でカタログ注文型は随時受付、一般型の第8回は2026年10月16日(金)17:00が応募申請の締切です。対象と募集状況は公式サイトで確認してください。
- 小規模事業者持続化補助金:販路開拓などの取り組みを検討する場合の制度です。AI導入費なら何でも対象になるわけではありません。商工会議所地区の一般型・通常枠の第20回は2026年11月5日(木)受付開始、12月15日(火)17:00締切、事業支援計画書の発行受付は12月4日(金)締切と公表されています。公式サイトの公募要領と、地域の商工会・商工会議所で対象経費や準備を確認します。
- 人材開発支援助成金:職務に関連した訓練の経費や訓練期間中の賃金などを助成する制度です。ツールの導入とは分けて考えます。研修の対象・対象外はAI研修とリスキリング助成金の記事を参照し、申請前に厚生労働省の最新資料と管轄の労働局で確認してください。
広島県の計画的経営改善応援補助事業は、2026年8月17日をもってすべての受付を終了したと公表されています。現在募集中の制度としては扱いません。人材育成の支援は広島県のリスキリング案内から、各制度の対象・受付状況を確認してください。
制度の概要とhirostaの対応範囲は助成金・補助金、業務選びからの進め方はAI業務改善ガイドにまとめています。ツールや補助金が決まっていなくても、困りごとから相談できます。
6. よくある質問
Q. AI導入に補助金は使えますか?
使える場合があります。デジタル化・AI導入補助金2026では、登録ツール・支援事業者、対象経費、自社の申請要件を確認し、交付決定後に発注・契約・支払いを行う必要があります。採択や支給は保証されません。
Q. ChatGPTなどの生成AIの利用料も対象になりますか?
製品名だけでは判断できません。事務局に登録されたITツールか、使いたいプラン・機能・期間が登録内容に含まれるかを確認してください。通常枠では、汎用・自動化・分析ツールだけでの申請はできません。
Q. 申請が済んだら、契約してもよいですか?
デジタル化・AI導入補助金では、申請後でも交付決定前の発注・契約・支払いは補助の対象になりません。事務局の交付決定を確認してから進めてください。他制度の契約時期は、各公募要領と事務局で確認します。
Q. 補助金はいつ受け取れますか?
デジタル化・AI導入補助金では、導入・支払いを済ませ、実績報告と確定検査、補助額の承認を経る流れです。導入時には全額を支払える資金を用意し、個別の入金時期は事務局に確認してください。
Q. hirostaの月額料金は対象ですか?申請も頼めますか?
月額料金が対象になるとは限りません。登録や対象経費の要件を、事務局やIT導入支援事業者に確認してください。hirostaは、申請書や申請用の事業計画書の作成・修正、提出の代行を行っていません。