AI・コード・人に、何を任せるか
まず「安い仕入先を探して発注して」ではなく、検索、条件の取得、比較、発注判断に分けます。公開デモでは、次の分担を採っています。
| 担当 | 公開デモでの役割 | 実業務へ移すときの確認点 |
|---|---|---|
| AI(Jev) | 現在の画面にある候補から、入力・検索・詳細表示・条件収集の次の操作を選ぶ | 調べてよいサイトと操作だけを候補にする。自由な操作コードを作らせない |
| コード | 型番を保持し、操作対象を限定する。表示された条件を取得し、数量・総額・日付を比較する | 数値の意味、単位、税、送料、日付の換算ルールを決める |
| 人 | 元ページと比較結果を確認し、発注先を決めるという想定 | 品質・取引実績・保証・確約された納品日、社内の承認条件を確認する |
画面の次の操作を選ぶことと、金額を正しく計算することは別の仕事です。条件がそろった後の比較はコードで扱い、AIに文章だけで順位を決めさせません。画面の構造が一定なら、操作も固定ルールで進める選択肢があります。方式の違いはRPAと生成AIの比較で説明しています。
デモはアクセス先をアプリ内の仕入先ページに限定し、1社あたりの操作回数にも上限を設けています。条件を取れなかった仕入先は「未確認」として残します。この制限だけで実サイトの安全性を保証できるわけではありません。
公開デモの記録から分かること
ここは、2026年10月12日に確認した公開READMEに記載された架空サイトでの検証結果です。会社・人物・商品・仕入先・取引条件はすべて架空で、実運用・納品の実績ではありません。
READMEでは、Jev(jev-1.13.0)で温度センサー20個・7日後までの条件を確認し、10社の検索・詳細確認・条件収集を40操作で完了したと記されています。操作数はこの条件での記録であり、実サイトの処理時間や成功率を示しません。
| 架空の仕入先 | 送料込み税別総額 | 到着目安 | 希望日が7日後の場合 | 希望日が2日後の場合 |
|---|---|---|---|---|
| 北星パーツ | 34,200円 | 2日後 | 条件を満たすが、最安候補より1,900円高い | 最安候補になる |
| 光洋サプライ | 32,300円 | 5日後 | 最安候補になる | 納期条件から外れる |
これはREADMEが示す2社の比較例です。おすすめの基準は「在庫と納期を満たす候補の中で、送料込み総額が最安」。品質や取引実績まで評価した結果ではありません。希望日が変わると候補も変わるため、単価だけの順位では判断できません。
デモには「ブラウザ実演」と「Jevで判断」の2つのモードがあります。前者はAPIキー不要の固定ルールで、AIの性能を示すものではありません。後者は有料APIを使って操作を選びます。今回、APIの実行や料金の確認は行っておらず、金額は掲載しません。
デモに購入・注文・メール送信の機能はなく、実際の取引先台帳や承認手続きとの連携もありません。結果はメモリ内に保持され、サーバー再起動で消えます。削減時間は未計測です。仕組みと限界の概要は公開デモの事例でも確認できます。
想定シナリオ:製造業の購買担当者が比較表を作る
以下は、デモの設計を自社へ移す場合の未実施の想定シナリオです。製造業の購買担当者が部品の不足を確認し、既存の取引先から調達候補を探す場面を考えます。実サイトで同じ結果が得られたという記録ではありません。
1. 必要条件と調査範囲を決める
担当者が型番・必要数・必要な日を記録します。同等品を認めるか、分納できるか、税と送料をどう扱うかも先に決めます。代替型番をAIの判断だけで採用しません。
仕入先台帳をもとに、仕入先名、URL、検索ページ、ログインの要否、許可された操作範囲、管理担当を整理します。新しいサイトも、人が利用条件と調査可否を確認してから対象に加えます。外部AIへ送る商品情報・取引条件は、社内ルールや契約で送ってよい範囲を確認します。AIへ渡す情報の確認も参考になります。
2. 比較する値の意味をそろえる
実サイトでは、同じ「価格」「納期」の表示でも意味が違う場合があります。比較に使う前に、人と実装担当が次を確認します。
- 型番と数量:同じ製品・仕様か、表示単価は1個か1箱か、必要数を確保できるか。
- 金額:税込・税別、数量による単価、送料の適用条件をそろえられるか。
- 納期:「発送まで」と「到着まで」を分け、営業日や締め時刻などの条件を確認できるか。
- 不明な条件:会員価格、見積依頼、別途送料などを、取得済みの数値と区別できるか。
画面は、ブラウザの元ページと比較表を並べるイメージです。比較表には取得日時、元URL、取得した値、比較に使った値、候補から外れた理由、未確認の条件を残す設計にします。これは実業務向けの提案で、デモにすべての項目が実装済みという説明ではありません。
3. 不明な条件を人へ戻す
読み取れない項目をゼロ円や「在庫あり」で補いません。「送料未確認」「納品日は要問い合わせ」など、何が足りないかを人が分かる状態で止めます。全候補が条件外でも、数量や希望日を勝手に変えず、担当者へ判断を戻します。
人が条件を確認し直した場合は、取得日時と変更した値を残し、同じ条件で比較をやり直します。途中で画面が変わったり処理が止まったりした場合も、未確認の候補を確認済みとして報告しないことが必要です。
4. 発注先を決め、既存の購買手続きへ渡す
担当者は元ページを確認し、比較時点の情報が現在も有効か、必要な数量と納品日を確保できるかを確かめます。品質、保証、取引実績、支払条件を踏まえ、最安候補以外を選ぶこともできます。
承認後は既存の購買手続きで発注し、比較表を再作成したことを新しい発注の指示と混同しません。発注済みの記録と比較結果をひも付け、二重発注を防ぐ確認が必要です。この記事では発注の自動化を実施していません。
費用・期間は、実サイト対応と確認の負担を含めて考える
費用はAIの利用料だけでは決まりません。対象サイトごとの操作・読み取りへの対応、ログインの管理、条件の換算、比較結果の保存、台帳・承認との連携、画面変更への保守を分けて見積もります。仕入先のURLを登録するだけでは動きません。
期間もサイト数だけで決めず、表示条件の違い、準備できる権限や資料、人が照合できる時間で考えます。まず、利用が認められた対象と、同じ部品・数量・希望日に絞り、手作業と結果を照合してから対象を広げる進め方を提案します。
続けるかは、検索から比較表の修正、人の確認までの時間と、読み取り誤り・未確認の数を含めて判断します。処理が速くても、元ページの照合に時間がかかれば効果を言い切れません。実サイトでの精度・速度・料金や導入期間は未確認で、具体的な削減率や金額は示していません。
業務の選び方はAI業務改善ガイド、仕組みの改修・連携はシステム開発、支援範囲と料金はサービス案内へ進んでください。相談窓口では、どの条件の転記や確認に困っているかからご相談いただけます。
よくある質問
Q. AIが最安と表示したら、そのまま発注できますか? 在庫・納期・総額の比較結果だけでは発注を確定できません。人が元ページと品質・取引条件を確認し、社内の購買手続きで判断します。公開デモに発注機能はありません。
Q. 仕入先のURLを登録すれば使えますか? 実サイトごとの利用条件、検索画面、表示形式、ログイン、条件の読み取りへの対応が必要です。デモはアプリ内の架空サイトだけを対象にしています。
Q. 条件が読めなかった仕入先は比較から消してよいですか? 未確認の理由を残し、人へ戻します。確認できなかったことと、在庫や納期の条件を満たさなかったことを分けて扱います。