1. ツールの点数・予測と、Googleでの成果は別に読む

「GEOの点数が上がった」という報告を受けたら、まず点数の定義を確かめましょう。本文の項目を採点した値なのか、決められた質問でAI回答を観測した値なのか、将来の表示を予測した値なのかで、読み方が変わります。名前が似ていても、異なるツールの点数をそのまま比べることはできません。

Google検索セントラルの指針では、第三者ツールはGoogle内部のランキングデータにアクセスできず、パフォーマンスを保証できないと説明しています。予測は第三者独自のもので、実現しない場合があります。また、Googleは第三者サービスを評価しておらず、ツールの利用によって検索順位の成功が保証されるわけではありません。

この説明から、独自の点数をGoogleの評価そのものとして扱うことは避けるべきだと考えられます。点数を使う場合は、改善候補を探す材料と、Google検索や自社の事業で実際に起きた変化を分けて読みましょう。

ここでは点数と成果の照合に絞ります。GEO/AEOの意味やHPを整える順序は基本解説、引用・訪問・相談を分ける考え方と計測の準備は自社HPの実践記録をご覧ください。

2. 何を測った値かを、表で分ける

次の表は、報告書を読むための整理です。具体的な点数の意味は提供元に確認し、自社の解析・相談の数え方も揃えてください。

確認する値 分かること・確かめること その値だけでは分からないこと
ツール独自の点数 採点対象・基準・取得条件を確認したうえで、その基準での変化を読む Googleの評価そのもの、実際の訪問・相談の増加
ツールの予測 提供元が置いた前提と、予測する対象・期間を確認する 予測どおりの表示・順位・流入が実現するか
Search Consoleの表示・クリック Google検索での表示回数と、検索結果からサイトがクリックされた回数を対象ページ・期間ごとに確認する 訪問後に読まれた内容、相談が成立したか
自社のアクセス解析 設定した集計方法で、対象ページへの訪問や確認可能な流入元、相談ボタンの操作を確認する 計測できない訪問、ボタンを押した人が相談したか
受け付けた相談 重複・営業連絡などの扱いを決め、実際の相談件数と内容を確認する すべての相談の流入元、点数上昇が相談の原因か

Search Consoleの平均掲載順位は、検索結果での最上位の掲載順位を平均した値です。グラフと表では集計対象が異なるため、どのページ・クエリの値かも確認します。平均値を「誰が検索してもこの順位」と読まないようにしましょう。表示回数やクリック数も、アクセス解析の訪問数や相談件数と同じ値ではありません。

3. 同じ対象・期間で、表示から相談まで確かめる

以下は、自社や支援会社と比較条件を揃えるための提案です。始める前に、対象ページ、改修内容、改修日、比較期間を残しましょう。

  1. 点数の条件を残す。 ツール名、採点基準、対象URL、取得日を確認します。AI回答の観測を含むなら、質問・対象サービス・実行条件も確認します。途中で採点基準や対象が変わった場合は、同じ条件の比較として扱いません。
  2. Search Consoleで照合する。 対象ページと比較期間を選び、表示回数・クリック数を読みます。検索タイプ、国、デバイスなどの条件を揃え、会社名を含む検索と、それ以外の検索も分けて確認します。グラフと表は集計方法が違うため、同じ表示箇所どうしを比べます。
  3. アクセス解析で訪問を確かめる。 同じページ・期間を対象に、何を訪問として数えるか、流入元をどう分類するかを確認します。計測設定や同意の扱いが変わった期間は、その変更も記録します。Search Consoleのクリック数と一致しない場合に、数字を無理に揃える必要はありません。
  4. 相談の受付記録と照合する。 フォーム送信成功、電話、メールなど、何を相談に含めるかを決めます。同じ相談の再送を二重に数えず、営業連絡・迷惑送信の扱いも揃えます。相談ボタンのクリックは別の値として残します。流入元を確認できない相談は「不明」とし、GoogleやAI経由と推測しません。

比較期間は、たとえば改修前後の同じ長さの期間で、曜日構成を揃える方法があります。ただし、繁忙期・広告・別ページの改修なども数字を動かします。点数の変更日と数値の増加が近くても、それだけで原因は確定しません。

想定シナリオ:点数だけが上がった報告を受けたら

以下は架空の会社・数字を使った、未実施の例です。同じサービスページについて、採点条件と比較期間を揃えたとします。

架空の値 改修前の28日間 改修後の28日間
ツールの点数(100点満点) 48点 76点
Google検索の表示回数 800回 800回
Google検索のクリック数 32回 32回
アクセス解析のGoogle自然検索経由の訪問(セッション) 26件 26件
流入元を問わず受け付けた相談(重複を除く) 2件 2件

この条件なら、報告できるのは「ツールの点数が上がった」ことです。比較した期間では表示・クリック・計測された訪問・相談の増加は確認できません。「Googleでの成果も上がった」とまとめず、点数が上がった項目と、次に確認したいページの不足を話し合う材料にします。

相談が増えた場合も同様です。広告や既存顧客からの紹介を含んでいないかを確認し、流入元が分からなければ、点数の変化による相談とは結び付けません。

4. 外部支援を比べるときに、何を質問するか

支援会社から点数や予測の説明を受けたら、次の質問をしてみてください。点数の高さだけで選ばず、条件と確認できない範囲まで説明されているかを比べるための質問です。

支援会社へ確かめる質問 説明で確認したいこと
この点数は何を測り、どう採点していますか? 対象URL・項目・満点・採点基準。観測値か予測か、Googleの値を転記したものか独自の値か
何と比べて上がったと言っていますか? 同じページ・基準・取得条件での前後比較か。競合比較なら対象の選び方
Googleの値とどう照合しますか? Search Consoleの対象ページ・検索条件と表示・クリックを、独自の点数とは別に示せるか
訪問と相談は何を1件と数えますか? アクセス解析の集計単位、ボタンクリックと受付の区別、重複・営業連絡・電話の扱い
どの期間で比べ、いつ判断しますか? 開始前の値、改修日、比較期間、確認日。変化がなかった場合の説明と次の対応
予測の前提と、保証できない範囲は何ですか? 予測の根拠、実現しない条件、他の施策や季節変動をどう扱うか

報告を依頼するときは、独自の点数、Googleの表示・クリック、解析で計測した訪問、受け付けた相談を別々に示してもらうと、確かめる対象を揃えやすくなります。社内と外部の担当範囲の整理は、AI導入の内製・外注の分担も参考にしてください。

5. 照合しても、効果を断定できない場合がある

Search Consoleの最新データは暫定値の場合があり、後から変わることがあります。また、実際の検索結果は時間・場所・デバイスなどで異なります。一度の検索画面や平均掲載順位だけで、すべての利用者への表示を説明することはできません。

自社のアクセス解析や相談記録も、計測・受付方法の範囲で得られる情報です。欠けた流入元を推測で埋めたり、少ない相談件数の変動から効果を断定したりしないことが必要です。

この記事で参照したGoogleの資料は、2026年10月13日時点の現行版です。記述は変わりうるため、契約や見直しの際は末尾の出典も確認してください。個別ツールの精度・有効性やGoogle内部の評価方法を検証したものではなく、特定ツールの良し悪しを示す記事でもありません。AI検索全体の動向は国内外の動向記事で扱っています。

点数を使うなら、「何が変わったか」「実際に何が増えたか」「まだ分からないこと」を別々に残しましょう。その区別が、支援を続けるか、報告方法を変えるか、HPの別の不足を直すかを話し合う出発点になります。