1. 試したこと:毎日の「新着」を、通知する候補と分ける
毎朝の要約に同じお知らせが並ぶと、読む側はどこが変わったのかを探す必要があります。見出しが新しくても、中身が同じなら再掲です。一方、同じ見出しでも締切や対象が変わっていれば、続報として変更点を伝える必要があります。
今回は、架空の小さな会社「サンプル工業」が読む日次のお知らせを題材にしました。試したのは、通常の通知候補・通知候補から外す再掲・人の確認待ちを分けるところまでです。 送る仕組みや頻度、承認方法は、人が決める工程として残しています。
| 分け方 | 今回の基準 | 出力の扱い |
|---|---|---|
| 新しい話題 | 前日までの一覧に同じ話題がない | 通知候補 |
| 続報 | 同じ話題で、期限・金額・対象などの事実が変わる、または加わる | 変更前後を添えて通知候補 |
| 再掲 | 同じ話題で事実は同じ。表現だけが変わる場合も含む | 通常の通知候補から外す |
| 本日は更新なし | 指定した3情報源を取得でき、当日分が空 | 更新なしと記録する |
| 確認待ち | 比較する話題や、変更内容を特定できない | 推測せず、人が確かめることを別に出す |
取得失敗や読み取り途中は「更新なし」に含めません。また、再掲だけの日なら「新しい通知候補なし・再掲あり」と書き、空一覧の日と区別する方針です。今回の7日には再掲だけの日と取得失敗は含めていません。
対象が0件だった日の扱いは、定期作業を見送って終える運用の記録です。この記事は、お知らせの内容を過去と比べる試作に絞ります。情報の出典や裏付けの残し方は、AIの市場調査で根拠を残す記事で案内しています。
2. 作り方の要点:話題ごとの最終内容と、元番号を残す
7日分の素材と、先に作った想定表
最初に、日別・番号別の想定表を作りました。新しい話題4件、続報3件、再掲4件、確認待ち1件、空一覧2日です。その意図に合わせて短い素材を用意し、2条件の出力を順番に作りました。同じAIが想定表も参照できる条件で、人が評価した正解表ではありません。
情報源は「架空ものづくり会」「架空部品商会」「架空設備支援室」の3つ。実在の団体・会社・制度は使っていません。期間は架空の2026年10月1〜7日で、初日より前の通知はない設定です。下表は入力の見出しと本文の要点を短くしたものです。日付はすべて2026年です。
| 番号・日付 | 情報源 | 見出し・本文の要点 |
|---|---|---|
| 01・10/1 | 架空ものづくり会 | 秋の製造講習会。10/20開催、無料、小規模製造業向け |
| 02・10/1 | 架空部品商会 | 部品の配送休止。休止日は10/12 |
| 03・10/1 | 架空設備支援室 | 製造設備支援の募集。上限10万円、製造部門、締切10/25 |
| 04・10/2 | 架空ものづくり会 | 秋の製造講習を受け付けています。開催日・費用・対象は01と同じ |
| 05・10/2 | 架空部品商会 | 部品の配送休止日を改訂。休止日は10/15 |
| 06・10/2 | 架空設備支援室 | 事務設備支援の募集。上限10万円、事務部門、締切10/25。製造設備支援とは別募集 |
| 07・10/3 | 架空設備支援室 | 製造設備支援の募集条件。上限15万円、製造・保全部門、締切10/31 |
| —・10/4 | 3情報源すべて | 取得済みで、当日分なし |
| 08・10/5 | 架空ものづくり会 | 秋の製造講習のご案内。開催日・費用・対象は01と同じ |
| 09・10/5 | 架空部品商会 | 配送休止のお知らせ。休止日は10/15 |
| 10・10/5 | 架空設備支援室 | 設備支援の対象を見直しました。募集名と変更後の対象は未記載 |
| 11・10/6 | 架空設備支援室 | 製造設備支援を受付中。上限15万円、製造・保全部門、締切10/31 |
| 12・10/6 | 架空部品商会 | 部品の配送再開。休止日は10/15、再開日は10/16 |
| —・10/7 | 3情報源すべて | 取得済みで、当日分なし |
比べた2条件と、修正した指示
初版Aは当日一覧だけを根拠に、お知らせを要約しました。具体的な当日項目を「新しい話題」として列挙し、内容が特定できないものは確認待ち、取得済みの空一覧は更新なし、と指示しています。過去と照合できない初版として、どの項目が通知候補に混ざるかを見ました。
修正版Bでは、前日までに通知した扱いの話題一覧を添えました。列は「話題・最終の内容・最終の通知扱い日・根拠番号」です。日付順に処理し、新規・続報だけで一覧を更新しました。例えば10/3の処理後は、次の形です。
| 話題 | 最終の内容 | 通知扱い日 | 根拠番号 |
|---|---|---|---|
| 製造講習会 | 10/20開催、無料、小規模製造業向け | 10/1 | 01 |
| 部品の配送 | 休止10/15 | 10/2 | 05 |
| 製造設備支援 | 上限15万円、製造・保全、締切10/31 | 10/3 | 07 |
| 事務設備支援 | 上限10万円、事務、締切10/25 | 10/2 | 06 |
再掲では通知扱い日を進めず、確認待ちの項目で最新内容を上書きしません。元番号を残すことで、後から同じお知らせを見比べられるようにしました。修正版の指示の要点は次のとおりです。
当日分と前日までの一覧を比べ、新しい話題・続報・再掲・確認待ちに分ける。
情報源・対象・募集や行事の単位で話題を対応させ、見出しだけで決めない。
続報は変更前→変更後、再掲は通知候補から外す理由を、元番号付きで書く。
募集や変更内容が不明なら確認待ちにして、確認先と質問を出す。
確認待ちで一覧を上書きしない。再掲では通知扱い日を進めない。
3情報源を取得でき、当日一覧が空なら「本日は更新なし」と記録する。
取得失敗は確認待ち。内容を推測して埋めない。実際の送信はしない。
履歴の追加に加えて、区分と差分の書き方も変えています。履歴の有無だけを変えた比較ではありません。また、同じAIの文脈に過去の素材が残っているため、「当日分だけ」は出力の根拠として使う材料の指定であり、記憶を切り離した意味ではありません。
3. 結果:続報の変更前後と、再掲を外す理由を残した
各日の分け方
修正版Bの出力を、理由を短くして載せます。新しい話題と続報も、送信が承認された意味ではありません。
| 日付・元番号 | 分け方 | 判断の理由・変更点 |
|---|---|---|
| 10/1・01 | 新しい話題 | 講習会の記録が一覧にまだない |
| 10/1・02 | 新しい話題 | 部品の配送休止は初めての話題 |
| 10/1・03 | 新しい話題 | 製造設備支援は初めての募集 |
| 10/2・04 | 再掲 | 01と開催日・費用・対象が同じ。見出しの変更だけ |
| 10/2・05 | 続報 | 02の休止日が10/12→10/15に変更 |
| 10/2・06 | 新しい話題 | 03と金額・締切が同じでも、事務部門向けの別募集 |
| 10/3・07 | 続報 | 03の上限10→15万円、対象は製造→製造・保全、締切10/25→10/31 |
| 10/4・項目なし | 本日は更新なし | 3情報源を取得済みで、当日分がすべて空 |
| 10/5・08 | 再掲 | 01と開催日・費用・対象が同じ |
| 10/5・09 | 再掲 | 05の休止日10/15から変化なし |
| 10/5・10 | 確認待ち | 製造・事務どちらの募集か、変更後の対象も不明 |
| 10/6・11 | 再掲 | 07と上限・対象・締切がすべて同じ |
| 10/6・12 | 続報 | 05では未記載だった再開日10/16が追加 |
| 10/7・項目なし | 本日は更新なし | 3情報源を取得済みで、当日分がすべて空 |
10/5は通常の通知候補がありませんが、確認待ちの10があります。「更新なし」とは書かず、確認すべき内容を残しました。確認先は架空の制度確認担当、質問は「製造・事務のどちらの募集か。変更前後の対象が分かる原文はあるか」です。問い合わせは実際には送っていません。
この試作・この条件での照合
同じAIが、出力を処理前の想定表と番号ごとに読み合わせました。初版Aは新しい話題11件・確認待ち1件、修正版Bは新しい話題4件・続報3件・再掲4件・確認待ち1件でした。空一覧の2日は、両条件とも更新なしです。
| 照合したこと | 初版A:当日一覧だけ | 修正版B:一覧と比較指示あり |
|---|---|---|
| 想定上の再掲を、新しい話題として出した項目(対象4件) | 4件:04・08・09・11 | 0件 |
| 想定上の続報で、変更前後を書き漏らした項目(対象3件) | 3件:05・07・12 | 0件 |
| 空一覧の日に話題を作った日(対象2日) | 0日 | 0日 |
続報の書き漏らしは、1項目で変更点が1つでも欠ければ1件と数えています。07の金額・対象・締切の3変更を、3件とは数えません。Aは変更後の内容は書いていますが、比較元を持たず、変更前後の組を残していません。
似た別募集の06と、情報不足の10は両条件でそれぞれ新しい話題・確認待ちになりました。修正版Bの各区分は想定表と一致しましたが、意図して作った短い素材を、同じAIが照合した結果です。人による正解評価や一般的な正答率ではありません。
4. うまくいかなかったこと:当日分の要約だけでは比較が残らない
初版Aは、当日分を「新しい話題」として列挙する指示でした。そのため、過去から見れば再掲でも、その日の一覧にあるだけで通知候補へ入りました。この指示の弱さを含む結果であり、AIが自発的に4件を誤認したという実験ではありません。
修正版では、話題ごとの最終内容を残し、続報は変更前後を書く形へ直しました。日付や見出しだけでなく対象と募集単位を見るようにし、06を製造設備支援の続報にまとめない条件も加えています。
一方、10のように募集名がないお知らせは一覧だけでは解決できません。既存のどれかへ無理に結び付けず、確認待ちにして最新内容を守る必要がありました。今回は「更新なしの日に話題を作る」失敗は再現していません。取得済みの空一覧という条件が明確な、2日だけの結果です。
履歴が長い場合の取りこぼし、複数情報源の食い違い、同日に同じ話題が複数回来る場合、取得失敗、担当者の判断との一致は未確認です。処理時間や業務の削減時間も測っていません。
5. 実際の業務で使う前に確認すること
今回の結果をそのまま自動通知へつなげず、担当者が原文と比較できる形にすることを提案します。
- 何を同じ話題とするか。 募集名・対象・開催回など、自社で区別する単位を決めます。似た見出しだけでまとめません。
- 一覧の内容を誰が確定するか。 通知候補・人の承認・実際の送信を分け、確認待ちで最新内容を上書きしないようにします。送信する仕組みには、別途、同じ内容を二重に送らない記録が必要です。
- 更新なしと言える材料はあるか。 対象情報源、取得できたかどうか、確認日時を残します。読み取り失敗を空一覧に置き換えません。
- 再掲でも知らせたい条件はあるか。 期限直前のリマインドなどは、内容の更新とは別の通知ルールとして人が決めます。今回は試していません。
- 原文に戻って確認できるか。 元番号と比較元を残し、確認担当が変更点・出典・利用条件を確かめます。実データでの試行前に、扱ってよい情報の範囲も確認します。
6. 毎日のレポートを、読む人が判断できる形にする
今回の試作では、話題一覧と比較指示を添えることで、再掲を外す理由と続報の変更前後を残せました。ただし、曖昧なお知らせには人の確認が必要で、実際の通知まで動かした成果ではありません。
毎朝の要約が長い、同じ話題ばかり並ぶ、変更点を探すのに困っている場合は、今のレポートと確認の流れから整理できます。AI業務改善ガイドとサービス・料金をご覧のうえ、無料相談で困っている工程をお知らせください。