1. 最初に、誰に何を英語で案内するかを決める

英語を使う読者が、どの国・地域で何を知りたいのかを整理します。会社の概要を知りたい取引先と、商品を注文したい人では、必要なページも問い合わせの対応も違います。英語で書くことだけで、すべての国への販売や現地での対応まで約束しないようにします。

まず担当者間で、次の内容を確認しましょう。

  • 読んだ後の行動:会社概要を読む、仕様を確認する、問い合わせるなど、入口から到達先までを決める。
  • 案内する範囲:対象の商品・サービスと、提供できる地域や条件を責任者に確認する。未確定の条件は掲載を保留する。
  • 窓口:英語で届いた問い合わせを誰が読み、誰が回答内容を確認するかを決める。返信できる言語や時間帯も、実際に対応できる範囲で案内する。

商品説明の事実確認や訳文の自然さは、商品紹介文のAI翻訳と確認の手順で扱っています。この記事では、確認した原稿をどのページに置き、どう更新するかに絞ります。

2. 日本語と英語のページを、URLと担当者で対応させる

ページごとに「英語版を作る」「今回は作らない」「確認待ち」を分けます。次の対応表は、制作担当と社内の担当者が使うための提案です。社内用の連絡先や確認資料は公開ページに載せません。

項目 決める内容
ページの役割 会社概要、商品説明、問い合わせなど。読者が次に何をできるか
日本語URL・原稿の版 どのページの、いつ確定した情報を基にするか
英語URL・制作状態 公開予定先と、未着手・翻訳確認待ち・公開可などの状態
言語切替の行き先 対応するページへ移るか、対応先がない旨をどう案内するか
内容・訳文の確認者 商品や条件の責任者と、英語を確認できる人
更新担当・確認期限 日本語の変更を誰が英語版へ回し、いつまでに確認するか

Googleの多言語サイトの案内では、言語ごとに別のURLを設け、利用者がリンクで言語を選べる構成を勧めています。言語の推測による自動転送は避け、本文だけでなくメニューも対象言語にそろえる考え方です。

自社の制作方針として、既存の日本語URLを保ち、英語版を /en/ の下に置く案なら、現在のリンクへの影響を抑えて相談できます。ただし、これは構成案であり、どのCMSでもそのまま使える設定ではありません。別ドメインやサブドメインも含め、既存CMSの制約、管理担当、将来の地域別運用を制作会社と比べます。英語版追加だけを理由に、日本語URLを一斉に変える必要はありません。

3. 言語切替と、検索向けの対応指定を分けて確認する

画面の「English」「日本語」のリンクは、読者が移動するためのものです。対応する商品ページがあるなら、切替後も同じ商品の説明を読めるようにします。毎回トップへ戻す設定では、目的の情報を探し直すことになります。

一方、hreflang は、検索エンジンへ言語版の対応関係を伝える設定です。Googleの指定方法では、HTML・HTTPヘッダー・サイトマップのいずれかを選べます。HTMLで指定する場合は、各言語版から自分自身と相手のページを完全なURLで示し、双方の対応をそろえます。日本語は ja、英語は en など、内容に合う言語コードを使います。

制作担当には、画面で押すリンクと、検索向けの設定の両方を対応表に沿って確認してもらいましょう。hreflang は翻訳品質の証明ではなく、Googleは表示内容からページの言語を判断します。また、HTMLの lang 属性による読み上げ等のための言語指定とは役割が別です。検索向けの設定を入れたから lang は不要、とは扱いません。

英語版がない日本語ページには、対応する英語版があるように見せる切替リンクを置かない、または「英語の会社案内へ」など実際の行き先が分かる案内にする方法を検討します。内容の違う英語トップを、すべての日本語ページの翻訳先として指定しないことも確認点です。

4. 想定シナリオ:会社案内と主力商品だけ英語版を用意する

架空の部品メーカーが、海外の取引先向けに会社案内・主力商品・問い合わせの英語版を準備する、未実施の想定シナリオです。以下のパスは説明用で、実際の公開先へのリンクではありません。

日本語側 英語側の案 人が確認すること
/company/ /en/company/ 会社名・所在地等の表記を責任者が確認。両方向の言語切替を用意
/products/part-a/ /en/products/part-a/ 仕様と提供条件を商品担当、訳文を英語の確認者が確認
/contact/ /en/contact/ 入力欄・エラー表示・受付完了の案内と、社内の対応担当を確認
/news/ 今回は作らない 英語のニュース一覧があるように見せない。日本語のみと分かる案内を検討

管理画面や管理表のイメージは、ページごとに「日本語の確定版」「英語原稿」「確認者」「確認期限」「公開状態」が横に並ぶ一覧です。AIを使うなら、公開してよい原稿から下書きや変更箇所の整理を補助させます。対応国や納期など、資料にない条件は補わせません。

たとえば商品仕様を直すことになったら、商品担当が日本語の変更点を確定し、更新担当が対応表から英語版への影響を確認します。訳文の確認が間に合わない場合は、そのまま公開可にせず確認待ちにします。古い条件を掲載し続けるリスクがあるなら、責任者が該当情報の一時非表示や案内の変更を決めます。確認していない英語文をAIだけで確定させないことが判断点です。

5. 公開候補で、入口から問い合わせまでたどる

原稿と対応表を制作会社へ渡したら、実際の公開候補で次を確認します。これは個別サイトに合わせて使う確認手順の提案です。

  1. URLと表示:日本語と英語の各URLを直接開けるか。PC・スマホで見出し、ボタン、長い英単語がはみ出さないかを見る。
  2. 言語切替:商品ページなどから両方向に移動できるか。対応先がないページの案内が、実際の行き先と合うかを確かめる。
  3. 英語の案内全体:メニュー、画像の説明、資料へのリンク、問い合わせの入力・エラー・受付完了の文面まで読む。日本語のみの資料は、そのことが分かる案内にする。
  4. 設定:制作担当がページの言語指定と、採用した方法での言語版の対応指定を確認する。非公開の確認用ページを検索へ出す設定にしない。
  5. 受付と更新の分担:問い合わせ確認を行うなら、送信先・通知先と送信の了承を先に確認する。誰が内容を読み、原稿の変更をどこで受け付けるかも引き継ぐ。

原稿の提出方法はHP制作の素材準備、公開設定と検索登録の切り分けはGoogle検索に出ないときの確認手順をご覧ください。言語版の設定を整えても、検索掲載・順位や海外からの問い合わせ増加を保証するものではありません。

6. 費用と期間は、翻訳・制作・確認・更新に分ける

見積りでは、対象ページ数だけでなく、翻訳する文字量、用語の統一、英語の確認、メニューやフォームの対応、CMSの設定、PC・スマホの確認を分けます。本文だけの追加と、問い合わせ画面まで英語にする場合では作業が違います。利用するCMS・翻訳サービスの追加契約や利用料が必要かも、提供元の現行条件を確かめてから相談します。

期間は、原稿の確定、翻訳、社内・英語の確認待ち、実装、公開候補の確認を分けて考えます。確認者が決まらないまま固定の納期を約束せず、まず読者が必要な情報へ進める一組のページで、担当と更新手順をそろえましょう。公開後の修正費用と、どこまで制作会社へ依頼するかも決めておきます。

原稿の版や確認待ちを整理する方法は書類・文書整理のガイドと文書処理の支援、開発・改修の範囲は開発の案内へ進めます。支援内容と料金はサービス案内、準備や更新の困りごとは相談窓口からお聞かせください。