1. なぜ作ったか:表現を整えても、約束は変えたくない

「〜において」「〜を実現」「さまざまな」が重なった文章や、段落ごとに同じ型が続く文章は、見直す余地があります。一方で、言葉を短くするだけでは、任意の依頼を義務に変えたり、提案を実績のように見せたりしかねません。

ai-smell-jaは、意味・数字・期限・依頼の強さを保ちながら書き直し、修正文と、変更箇所・理由を返すためのスキルです。社内の文書・ブログ・提案文をAIで下書きするときの、見直しの手順として使うことを想定しています。

着想元は英語のHumanizerと中国語版Humanizer-zh(いずれもMIT)です。表現のパターンを整理して見直すという着想を参考にし、日本語のパターンは自前で書きました。文面や一覧の翻訳ではありません。着想元へのリンクは公開READMEにあります。

2. 中身と入れ方:AIによる書き直しと、機械の点検を分ける

ファイル・フォルダー 役割
SKILL.md 文章を読み、情報と語調を保って書き直す手順
references/patterns-ja.md 日本語のパターン一覧と、直し方・残す条件
scripts/check.py 機械で見つけられる表現を行・列つきで数える補助スクリプト
examples/ 架空の業務連絡・ブログ・提案文の書き直し前後

Claude Codeなど、スキルを読み込めるAIエージェントで使います。公開リポジトリを取得し、skills/ai-smell-ja フォルダーを利用するエージェントのスキル置き場へコピーします。Claude Code向けのコピー手順はREADMEの「入れ方」にあります。同名のフォルダーがあれば、内容を確認してからコピーしてください。

読み込んだエージェントに、次の依頼と対象の文章を渡します。

ai-smell-jaで、次の業務連絡のAIっぽい表現を見直してください。
意味、数字、期限、依頼の強さは変えず、修正文と変更理由を出してください。

補助スクリプトはPython 3の標準ライブラリだけで動き、追加の依存は不要です。文章を変更せず、ネットワークにもアクセスしません。AIエージェントで書き直すときの文章の取り扱いは、利用するサービスの条件を別に確認してください。

3. 結果と限界:架空の短文3本で、8件から1件へ

2026年10月21日、AI(Codex)がスキルの手順に沿って作成・書き直しした3本を、同じcheck.pyで点検した公開記録です。

素材 書き直し前 書き直し後
業務連絡 3件 1件
ブログ 3件 0件
提案文 2件 0件
合計 8件 1件

業務連絡の「さまざまな」は、形式の多様さを保つために残しました。0件を目標にしていません。 同じAIによる照合では、期限・数値・対象・否定・提案段階・未確認の効果を保持できました。ブログの定型の呼びかけは削除し、語調の変化として記録しています。

ブログの2・3行目は、同じ文型を解いても機械の検出件数は前後とも0件です。件数だけでは、こうした変更を表せません。

長文・会話・契約書などへの向き不向きは未確認です。自然さ・読みやすさ・作業時間も未測定で、意味の保持は第三者の評価ではありません。辞書にない表現、表記揺れ・活用、カタカナ語の適否、強調の根拠、段落ごとの同じ型は、読んで判断する必要があります。

利用時は、原文と修正文を並べ、数字・期限・対象・否定・提案か実施済みかを人が確かめてください。「ご確認ください」が元の依頼より強くなっていないか、呼びかけを削ってよいかなど、語調も確認してから採用・保存します。以下では、公開例文の全文、点検だけを試せるデモ、実行記録の順に見られます。