1. 制作会社へ連絡する前に、確認の一覧を作る
自社の担当者が、契約書・請求書・更新案内のメールを集め、ドメインごとに一覧を作ります。サイトのアドレスだけでなく、会社のメールに使っているドメインも対象にします。資料で分からない項目は推測で埋めず、「未確認」として制作会社への質問にします。
JPドメイン名では、登録者はドメイン名を登録した組織や人、指定事業者は登録者からの各種申請をJPRSへ取り次ぐ事業者です。登録・更新・登録情報の変更などは、原則として指定事業者を通じて行います。いつも連絡している制作会社と、管理指定事業者が同じ会社とは限りません。
次はhirostaの提案する一覧の列の例です。以下の項目を、1ドメインにつき1行にまとめます。
| 一覧の列 | 記入する内容 |
|---|---|
| ドメイン名 | 対象の名前。Web用・メール用の用途も添える |
| 登録者 | 登録されている組織・人の名前。確認前は未確認とする |
| 指定事業者 | 管理指定事業者の名称と、普段依頼する制作会社の窓口 |
| 更新の期限 | 有効期限と、事業者への支払い・手続きの締切を分ける |
| 更新の連絡先の担当 | 通知を受ける人、支払い・更新を行う人、社内の代わりの担当 |
| Webサイトのサーバー | 契約先と、設定を管理する担当 |
| メールのサーバー | 契約先と、設定を管理する担当 |
| 確認日 | その情報を確かめた日 |
| 確認した人 | 確認した社内担当者と、根拠の資料・回答元 |
未確認の欄には「確認先・社内の確認担当・回答期限」を補います。認証コードや管理画面のID・パスワードは一覧に転記せず、誰が保管しているかだけを確かめます。メールやチャットにそのまま貼って引き継がず、社内で認めた安全な方法を担当者間で確認してください。
2. 登録者が自社名義かを、資料とWhoisで確かめる
一覧を作った担当者が、制作会社の変更日を決める前に、登録者名を自社の正式名称と照合します。JPRS WHOISは登録情報の一部を検索できるサービスです。利用案内に従い対象のドメイン名を調べ、表示された登録者・組織名を手元の契約資料と比べます。
Whoisはドメインの種類や非表示設定により表示が異なります。登録者名が見えないことだけで、他社名義や登録なしとは判断しません。また、管理指定事業者はJPRS WHOISに表示されません。ネームサーバー名や公開された連絡先から、契約している管理先や更新通知先を決めつけないでください。
- 自社名義と確認できた場合: 根拠と確認日を一覧に残し、指定事業者と更新の連絡先の確認へ進みます。
- 制作会社など他社名義の場合: 自社の責任者へ報告し、現登録者と指定事業者に必要な手続きを相談します。制作会社の変更だけで登録者も自動的に変わる前提にはしません。
- 表示と資料が合わない・名義を確認できない場合: 未確認のまま、制作会社や指定事業者へ確認を依頼します。回答を得る担当と期限を決めます。
.co.jpなどの属性型JPドメイン名には、組織の種類に応じた登録条件があります。JPRSはCO.JPの対象として、日本国内で登記を行っている会社などを挙げています。自社が対象になるか、名義を変える場合にどの手続きが必要かは、指定事業者に確かめます。この記事では必要書類の細部や一律の手続き日数は示しません。
管理指定事業者が分からないとき
まず請求書や更新案内を見て、制作会社に「申請を取り次いでいる管理指定事業者の名称と、契約上の窓口」を確認します。請求元だけで管理指定事業者を確定しないようにします。
それでも不明なら、JPRSの各種申請Q&Aの案内に従い、登録者または登録・技術の連絡担当者から、ドメイン名を添えてJPRSの窓口へ問い合わせます。JPRSは本人・担当者であることを確認できた場合に管理指定事業者を案内するとしています。誰でも照会すれば回答が得られるわけではありません。
3. 管理先の継続と、Web・メールの引き継ぎを分けて決める
制作会社の変更に、指定事業者の変更(移管)は必須ではありません。 自社の責任者が、現在の管理を続ける案と管理先を変える案を比べます。以下の分け方もhirostaの提案です。
| 決めること | 制作会社・指定事業者に確認すること |
|---|---|
| 今の指定事業者を続ける | 制作・保守契約を終えても管理を継続できるか。更新の依頼先と請求先をどうするか |
| 指定事業者を変える | 変更元・変更先それぞれの手続き、意思確認を受ける人、料金・必要書類・日程 |
| Webサイトのサーバー | 契約を続けるか変えるか、設定を引き継ぐ人、表示を確認する日 |
| メールのサーバー | 継続利用するか、移行が必要か、設定・メールデータの扱いと確認担当 |
JPRSには管理指定事業者を変更する手続きがあります。変更する場合は変更先へ相談し、変更元への確認も含めて進めます。申請方法は事業者によって異なるため、日数・料金・必要書類は双方に確かめてから日程を決めてください。
ドメインの登録管理と、サイトやメールの接続先を決めるDNSの設定は、分けて確認が必要です。指定事業者を変えるだけで、Web・メールの設定や契約もすべて引き継がれるとは考えないようにします。今の制作会社、新しい制作会社、指定事業者に、誰が設定を管理し、何を維持・変更するかを確認します。
設定の引き継ぎを確かめないと、メールが止まる、サイトが表示されないといったことが起こりえます。DNSの具体的な記述や変更手順は環境によって異なるため、ここでは示しません。設定を任せる人と、影響が出たときの連絡・復旧の担当を、契約を終える前に決めます。
URLも変わるなら旧ページの転送と公開前後の確認手順、新しい制作会社に頼む範囲はHP制作の発注範囲を決める手順で整理してください。
4. 変更の日と、変更後に更新の連絡を受ける人を決める
自社の担当者が回答を一覧へ反映し、責任者と制作会社で次の確認日程を合意します。有効期限と、支払い・更新手続きの締切は別に確認します。自動更新の設定があっても、通知先と支払いを行う担当が引き継がれているかを確かめます。
| 時期・担当 | 確かめること |
|---|---|
| 変更日を決める前:自社の担当者・責任者 | 登録者、指定事業者、更新の締切を確認し、未回答を解消する |
| 契約を終える前:自社と新旧の制作会社、必要に応じ指定事業者 | 管理を続ける人、Web・メールの設定担当、変更日、問題が出た場合の戻し方を合意する |
| 変更当日:設定担当と自社の利用担当 | 合意した範囲でサイト表示・リンク、メールの送受信を確認し、結果を記録する |
| 変更完了を確認する日:自社の担当者と管理を引き受けた窓口 | 更新の通知先・請求先が意図した宛先か、連絡を受ける人が案内を確認できるかを確かめる |
「変更完了を確認する日」も、事業者の手続きに合わせて変更前に具体的な日付を決めます。次回の更新案内がまだ発行されていない場合は、管理画面や窓口の回答で通知先を照合し、次の案内を受ける担当と確認する期限を残します。古い担当者にしか連絡が届かない状態を、引き継ぎ完了にしないようにします。
制作会社への確認では、「登録者と管理指定事業者はどこか」「更新の連絡は誰に届き、いつまでに誰が支払うか」「契約終了後のドメイン管理とWeb・メールの設定は誰が担当するか」をまとめて尋ねると、回答を一覧に戻せます。認証情報そのものを返信するよう依頼する必要はありません。
5. 想定シナリオ:制作を変え、ドメインの管理先は続ける
架空の部品卸会社が、example.jpをWebサイトとメールに使っている未実施の想定シナリオです。実在の企業の登録情報や、hirostaの実績ではありません。
総務担当が制作会社への連絡前に資料を集めると、更新案内の受信者が退職予定の担当者になっていました。指定事業者の欄は資料だけで分からず、未確認として、制作会社への質問と回答期限を付けます。登録者は自社名義と確認できた、という想定で進めます。
制作会社への確認後、責任者は今の指定事業者で管理を続け、新しい制作会社にはWebの制作と設定の引き継ぎを頼む案を選びます。メールの契約は継続し、設定を維持する担当も別に決めます。名義が他社だった場合は、この案をそのまま実行せず、先に必要な手続きを相談します。
変更前に、総務担当が更新通知先と支払担当の変更を窓口に依頼する日を決めます。設定担当がWeb・メールへの影響を確認して変更日を合意し、変更当日は利用担当が表示と送受信を確認します。合意した完了確認日に、総務担当が通知先・請求先を窓口の回答と照合し、一覧へ確認日と確認した人を残す、という進め方です。
6. AIは一覧と質問文の下書きに使い、人が照合する
AIを使うなら、手元の契約書・請求書・メールから一覧の下書きを作る、制作会社への質問文を短く整える、といった補助にとどめます。資料を入力する前に社内の取り扱いの決まりに従い、認証情報や不要な個人情報・非公開情報を含めないようにします。
AIが推測した管理先や期限を、確認済みの情報として採用しません。人が原本・登録情報・窓口の回答と照合し、登録者の確認、管理先を変えるかの判断、申請と変更の承認を行います。
公開後に検索へ出ない問題はGoogle検索の登録状況と公開設定の確認へ進んでください。セキュリティ上の通知を受けた場合は、通常の引き継ぎと分け、メール配信サービスが侵害されたときの対応やサーバー会社から不正プログラムの通知が来たときの対応を参照してください。
引き継ぐ範囲が分からないときは、開発・改修の対応範囲や支援内容・料金をご覧ください。整理するところからお問い合わせいただけます。